フライト待ち時間に今回の撮影を振り返ってみて、撮影を言語化してみようと思いました。
今回の撮影は宮崎県延岡で長く愛されている地元企業の新社屋の撮影でした。写真は地元企業のHPと竣工アルバム、設計事務所のHPに使用する目的です。また建築の何かしらの賞応募に使うとのことでした。
・写真の使用用途と使う企業のことを考える
ふたつの企業がHPで写真を使用しますが、見せたいものは同じだったり違ったりします。そしてアルバムと賞応募があります。
このように目的は多いと迷いが生じやすいです。ですが撮影できる時間には限りがあるので優先順位を決めて思考をすっきりさせる必要があります。
優先順位はこんな感じで考えました。
- 新社屋地元企業の「社長」が喜んでくれること
- 設計事務所の広告になること
- 賞応募に助力できること
- 1〜3を満たせばアルバムに使用する写真には困らない
1.新社屋地元企業の「社長」が喜んでくれること
これを一番に持ってきた理由は、社屋を新しくしてよかったなと改めて思ってほしいからです。
すでに引っ越しが完了して気持ちよくお仕事をされていると思います。
そこに視覚的に改めて素敵な写真があればよりいいなと思いました。
数年の設計期間工事期間があり、写真で最後の締めをするわけです。
そこにいい感情が生まれるように。というマインドです。
もちろん新社屋にすることで、建築物の実物の見た目や新しいHPなどで企業の認知を増やせることや従業員の方々のモチベーション向上などビジネスてきな要素は当然考えられていると思います。
理論的ないいね!(ビジネス)と、感情的いいね!(情緒)があって写真は感情的いいね!も推せると思っているので、そこを大事にしたいと思いました。
2.設計事務所の広告になること
僕は基本的に設計事務所から依頼をいただいて撮影させていただいています。なので設計のためにどのような写真を提供すればいいのか。が主な撮影テーマになります。
設計事務所の新規顧客やファン、その他認知に効果的な写真をお渡ししたいと考えていて、建築的な専門性と純粋な見栄えがいい感じに写っている写真がいいと常に思っています。ただマニアックな良さに偏りすぎないよう、ただかっこいい写真にならないよう、マンネリしそうな写真にならないよう気をつけながら撮影します。建築写真の型があり、そこからどう外すのか、その外し方をブツブツ言いながら撮影しました。
3.賞応募に助力できること
建築を知っている人が審査員の賞応募では建築的マニアックさと建築の知識のない人を想像している一般的な感覚が大事になってくると思います。
2と似ていますが、この建築がどのように新しいかという主体があり、その上で目に止まる写真が必要です。
ここは僕が実際に賞応募・プレゼンをするわけではないので建築の特徴を捉える必要があります。
4.1〜3を満たせばアルバムに使用する写真には困らない
これは問題なくできるので説明不要。どこに納品するかによって写真のセレクトだけ気をつけていれば問題ありません。
以上のように大きくこのように考えていました。
余談ですが自分の作家性は「型」を模倣して、「型を外して情緒を魅せる」ことができるようになれば身につくと思います。
なのでなにより先に型を知ることから入る必要があるので基礎は大事。
次回は建築写真を、建築写真の中でジャンル分けしているのでそれらについて書いてみます。